俺様050モバイルフォン

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SN3O0005.JPG俺様といっても別に私が最初から造ったわけではありません。

つい先日、イーモバイルのPocetWiFi SⅡ(S41HW)を購入しました。もともと、GP01を持っていたのですが、スマートホンにSIPクライアントを入れたテストをしたいということもあって、ここは思い切って買い換えました。

ま、買い換えてできなくなったこともいろいろあるのでお仕事的にもちょっと困ってしまうこともありますが、それはまた別の機会に・・・・。

さて、今回これをどういうように使うかというと、スマートホンにSIPクライアント(今回はAcrobitsのSIPクライアント)を導入して、3G携帯電話のデータ通信(通話ではない)を使ってMAHO-PBXに接続してしまうというものです。

これが何がうれしいかというと、

  • 自分の携帯がどこにいても内線電話になる。
  • ダイアルイン番号を設定して、着信時固定や自分の携帯を呼べる。
  • そもそも、通話による電話代がかからない。(実際には安くなる。)

というところが魅力な訳けです。

ただし、今回紹介する方法は、非常に危険な使い方なので真似される方は注意して使ってください。

さてさて、ではどうやって接続するか、単純には普通に電話機としてSIPで接続すればつながってしまうのですが、それだけでは実はいろんなことが起きます。

これをちょっと紹介しておきます。

  • Codecの選択

通常MAHO-PBXは、音声通話のCodecとしてG711を使います。これに必要な通信速度は、100Kbps程度です。Codec的には64Kbpsですが、IPパケットなどのオーバーヘッドなども考えると100Kbpsくらいが必要です。

ただし、100Kbpsを3Gのデータ通信網で安定的に要求することはとても難しいわけでうす。特に、3Gの場合、上りと下りで非対称な通信速度を持っているほか、接続している基地局によって通信可能な速度が異なるのが実情です。

そこで、このような不安定な通信網を利用するに当たって、低帯域で通信可能なCodecがあります。今回使ったのはGSMというCodecです。

ただし、現在のMAHO-PBXは実は管理画面からGSMを選べません。そこで、クライアント側で、GSMだけ受付ます。っていう設定をしています。(というか、実はしてもらっています。)

これで大体13~15Kbps程度の通信ができれば大丈夫なので比較的どこでもいけるはずです。

  • パスワードをとても難しく

今回の実験の場合、SIPの接続をインターネットから受けます。これは何を意味するかというと、インターネットのどこからでもあなたのPBXに接続できるということになるわけです。

たとえば、標準的なAsteriskをインストールして、それを(グローバルIPアドレスを使うなどして)直接接続しているとします。Asteriskの標準的なSIP接続用なパスワードはインストールしたことがある人なら誰でも知っていることですから、まぁ、誰でも接続できてしまうわけですね。

で、問題は無作為に接続される場合はおおむね不正アクセスであって、接続したSIPを使って国際電話を掛けてくれたりするわけです。つまり、金銭にかかわる直接的な被害が出やすいって言うことです。実際、知人はやられました。

そこで、SIP接続のためのパスワードをとても難しいものにするという対策を行うことでかなりこの問題を避けられます。

ただ危険性が去ったわけではありませんのでご注意を。

  • アプリケーションが寝ないように

最後に携帯にインストールしたSIPクライアントの設定ですが、多くの場合、アプリケーションを終了すると、完全に終了してしまいます。これでは、折角の待ちうけもできません。

そこで、SIPクライアントによってはバックグラウンドで待ちうけをする設定がありますので、この設定をしておく必要があります。

さて、これの結果です。

感想:

まぁまぁ、使えます。

電池の減り:

都内の場合、比較的電池のもちが良いようです。詳しいことはわかりませんが、3Gの携帯は通信可能な基地局が近い場合は電波出力を適合させて使用電力をセーブするらしく、このためだろうと思います。確かに、ゴルフ場に放置した場合は、軽快に電池がなくなりましたし・・・。

大体都内で最大6時間ほどもちましたが、まぁ、そんなモンなので、途中で充電が必要ですね。普通の携帯というわけにはいきません。

通話品質:

場所により相当異なります。

都内、または地方の繁華街など人の多いところでは、まったく問題なく使えます。一方、郊外や地方、山間部などはかなりつらい感じがします。これは、SIPだからというよりは、3Gの通信網の速度の話ですので、なんともいえません。

特に、今回の実験では、通話は聞こえるけど自分の声が相手に届かないというケースは結構ありました。つまり、下り速度より上り速度が極端に遅いためこのような現象がおきるわけです。

Docomoの携帯など、通信速度が全国的に安定している(様な気がする)携帯の場合は、どこにいっても問題ないのかもしれません。試したのが今回使用した機種だけなので、他の機種については良くわかりません。

この辺は、使える携帯が増えていくと経験値も増えていのかと思います・・・。

通話の音質は、まぁ、こんなもんだろうという感じで、可もなく、不可もなく。

遅延:

通話の遅延は、普通の形態に比べてちょっと大きいかなと感じる程度です。

実は今回はちょっとずるをしていて、Asteriskの機能でSIP接続しているSIPクライアントをモニターするという機能があり、これを使っています。この機能は、クライアント端末がスリープなどしてしまってIPアドレスが変わってしまうのを防ぐなどのために一定間隔で通信を発生させることができるわけです、本来の機能として、通信の遅延を測定し、一定のRTT値を超えた場合、その端末は接続しても通話品質が維持できないとして、非接続状態として扱うような機能です。ちなみに、MAHO-PBXの場合、ごにょごにょしないと使えません・・。

今回は2000ms以上の遅延がある場合は、通話しないというような設定をしているので、実際に通話している段階でこれ以上の遅延が発生することはありません。なので、まずまず、ということになるわけです。

ただし、せいぜい500msくらいの遅延で話したいものです・・・。

というわけで、俺様モバイルフォントしてはそれなりに使えるということで、今のところ自分用のモバイルフォントして使うようにしています。実用性もそれなりにあります。

また、Codecについては、Speexというさらに低帯域のものもあるので、それを使うとさらに通話可能エリアも広がるのではないでしょうか。

もしご興味があれば、ぜひともおといわせくださいませ。

 

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このブログ記事について

このページは、Kuniaki Kondoが2011年11月18日 11:16に書いたブログ記事です。

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